死刑制度が存続している日本では、当然ながら反対意見と賛成意見があります。デイベート形式で、どっちが正しいか比較しました。
死刑制度
反対意見
人の命を奪うことを否定している日本国憲法が、たとえ犯罪者とはいえ、犯罪者という「人の命」を奪うことは自己矛盾になっているという考え方です。
そのほかにも、「犯罪者の命を奪うことは、被害者の救済になっていない」という考え方もあります。
命を奪われてしまったら、その人の命は2度と帰ってこないという事実が、「死刑」ではフォローしきれていないというのです。
また、日本国憲法36条が「残虐な刑を絶対に禁止する」と明確に示されているので、そもそも死刑制度が残虐な刑であるという考え方です。
また、「誤審」の可能性も否定できないというのが、論拠として存在します。
実際に、袴田巌さんのような、明らかな誤審事件も後をたちません。
【袴田さん あす釈放5年】1966年の強盗殺人事件で死刑が確定した袴田巌さん(83)が静岡地裁の再審開始決定で釈放されてから27日で丸5年。拘禁症で精神を病み、独自の世界に浸るものの、姉秀子さん(86)は「この五年で表情は和らぎ、笑顔も増えた」と喜んでいます。 https://t.co/tInpLepeyI pic.twitter.com/8KT4H0relm
— 中日新聞東海本社編集局 (@chunichi_tokai) 2019年3月26日
また、著名な学者では、早稲田大学の森岡正博教授も、死刑制度は反対の立場です。
オウム真理教、死刑、ともに私のテーマだから一言では語れない。でも少なくとも私は彼らを死刑にしてはならなかったと明言しておく。日本の8割は死刑制度賛成だから私は超少数派だ。もしEU諸国なら死刑されなかったということも知っておくべし。EU以外でもブレイビクは死刑ではない。 https://t.co/KsKzQjtkDK
— 森岡正博 (@Sukuitohananika) July 6, 2018
賛成意見
遺族のやりきれない心情への配慮や、人を殺めた人間を国民の税金を使って生かしておくのが、税金の無駄遣いという考え方があります。
遺族としては、「自分の命も狙われるのではないか?」という恐怖感がずっとついて回ります。
その恐怖感を、国家が取り除いてあげるべきという考え方もあります。
また、人の死を「適切に」操作することは可能であるという考え方や、「死刑」という動物の最高の精神的プレッシャーを刑罰に加えることで、犯罪抑止力にするという考え方もあります。
ディベート形式でどちらが正しいか比較
「国家が人の命を奪ってはいけない」「誤審の可能性」と「犯罪抑止力」「遺族感情への配慮」を比較するのがフェアでしょう。
まず、「国家が人の命を奪ってはいけない」については、「誤審」が客観的に解決される場合に限り、認めることは可能ではないでしょうか?
やはり、「犯罪抑止力」や「遺族感情」への配慮は欠かせない視点だからです。
ただし、「人の命の刑罰」なので、「あっ間違えた」は絶対に許されません。
そのため、死刑制度については、「裁判や事情徴収を広く一般に公開する」という制度を採用すべきです。
そうすると、袴田巌さん事件のような、理不尽な事件が発生しなくなるでしょう。
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