レール温度上昇で運転見合わせはなぜ? 暑すぎ線路は何度でゆがみを放置するとどうなる?

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猛烈な暑さで鉄道のレール温度が上昇して、遅延や運転見合わせが発生しています。なぜそんなことがおきるのか・暑すぎの線路は何度でゆがみのを放置するとどうなるのか、まとめました。

暑すぎ!

西日本を中心にしばらく続いた大雨がおさまると、今度は猛烈な暑さがやってきました。

岐阜県や群馬県などの、いわゆる日本列島の内部地域を中心に39度・38度という、高熱といってもいいレベルの温度になっています。

今日の気温ランキング

出典:気象庁

もはや39度と聞いても驚かなくなってきましたが、熱帯といってもいい気温です。

世界的に見ても、クウェートなどの中東の地域を除けば、かなりの上位に食い込む気温です。

むしろ、39度以上の気温は数えるほどしかありません。

レール温度上昇

今日、鉄道を利用された方は、うだるような暑さとともに「レール温度上昇」「遅延」「運休」という放送をよく目にされたでしょう。

関西では、JR京都線を中心に線路温度が上昇して、遅延が発生しています。

例えばこんな感じです。

筆者も今日は外出していましたが、今まで感じたことがないような暑さで、意識が朦朧としました。

線路の温度を少しでも下げようと、こんな設備が導入されているエリアもあります。

線路がシャワーを浴びているみたいで、ちょっと羨ましくなってしまいました。

ただ、なぜ線路の温度が上昇したら遅延や運休が発生するのでしょうか?

運転手が体調不良になったとかならまだしも、少々大げさなのではと思ってしまいますよね〜。

そこで、なんで運転見合わせになるのか、調べてみました。

運転見合わせはなぜ?線路は何度でゆがみを放置するとどうなる?

線路は鉄で出てきている

線路(レール)は、ご存知の通り「鉄」で出来ています。

鉄は、暑くなると膨張して大きくなったり・長くなったり・曲がったりします。

だから製鉄所では、鉄をものすごいあつくして、加工しやすくしているのです。

線路も鉄なので、暑くなりすぎると大きくなったりします。

だから、以下の写真のように線路同士に隙間を作って、線路同士がぶつかって線路が曲がってしまわないようにしているのです。

線路が曲がると何がまずい?

「少しぐらい曲がってもいいじゃん!」って思う人もいるかもしれません。

逆に、線路が曲がったら何がまずいのでしょうか?

その疑問に答えるには、列車はどこを走っているのかを考えるのがポイントです。

そうです、列車は線路の上を走っているのです。

線路がまっすぐ、凸凹なく整備されているから、列車はスムーズに快適に走ってくれるのです。

もし、線路が曲がっていたらどうでしょうか?

途端に電車がガタゴト揺れ出して、場合によっては脱線するでしょう。

つまり、線路が曲がってしまうと大事故につながるので、非常に危険なのです。

どんなルール?

「理屈はわかった。じゃぁ、何度になったら制限がかかるの?」

そう思ったので、調べてみました。

専門サイトでは、同様の疑問に答えるために調査されていて、以下のように紹介されています。

一般的なレールの、設計上の上限温度は60℃とのこと。つまり、レールそのものの温度が60℃を超えるとゆがむ可能性が生じるといいます。

出典:乗りものニュース

大半の線路は、屋外を走っているので、太陽さんが「これでもか〜これでもか〜」というくらいに熱してくれます。

直射日光でガンガンあっためてくれるのです。

そうすると、レールの温度もうなぎ上りに上がっていきます。

ここ数日、外気の気温が40度に迫っているのに加え、雲などの太陽光を遮るものもほとんどないので、レールが60度を超えるようになりました。

つい先日、関西では大阪北部地震があったので規制値を引き下げていた上に、今日の暑さもあって、以下のような状況になったのです。

16日の気温上昇でレール温度が規制値に達したため、同日午後1時13分ごろから、JR京都線と学研都市線、関西線の一部区間で徐行運転を実施し、列車に遅れや運休が出た。

出典:京都新聞

いまは驚きのニュースですが、あと数年もすれば、夏の風物詩になるかもしれませんね。

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