西友をドンキホーテがいくらで買収? 店舗閉鎖・人員削減のリストラの可能性は?

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世界最王手の小売業者のウォルマートが西友を売却する方針が明らかになっていますが、ドンキホーテが候補に名乗りをあげました。いくらで買収するのでしょうか? 店舗閉鎖・人員削減のリストラの可能性も含めてまとめました。

ウォルマートが西友を売却

日本への進出の足がかりとして、西友を買収したウォルマート。

当初は持分の一部でしたが、最終的に完全子会社化を果たします。

徹底した低価格と圧倒的な物量を武器に事業拡大を図ってきましたが、日本市場では差別化を図るのが難しく、業績は芳しくありませんでした。

そんな西友に見切りをつけたウォルマートは、ついに西友の売却へ舵を切ります。

ウォルマートが、日本市場から撤退することになりました。倒産危機で傘下に入っていた西友はどうなるのでしょうか? 売却するのでしょうか?店舗閉鎖・人員削減が噂されていますが、大リストラの嵐がありえるのか、撤退がいつかも含めまとめました。

西友には好立地の店舗もありますが、全体的に老朽化が進んでいて、「おいしいところもあるが、まずいところもある」的な案件です。

そんなこともあって、買収交渉が遅々として進んでいなかったのです。

ドンキホーテがいくらで買収?

ドンキホーテ

正確な名前は「株式会社ドン・キホーテ」といいます。

主な基盤を関東地方としながらも、各都市へ展開している総合ディスカウントストア・総合スーパーです。

愛着をもって「ドンキ」という呼び名で用いられることもしばしばです。

経営の観点からいうと、持株会社制度に移行しているので、グループのトップは「株式会社ドンキホーテホールディングス」になります。

直近の決算数値は30年6月期のものが公表されています。

売上高は9,415億円で、最終利益は364億円という、れっきとした超一流企業です。

本業の利益である営業利益は516億円、営業キャッシュフローは+460億円と、本業がバッチリの企業です。

そんなドンキが、西友の好立地の店舗などを手に入れて、さらなる拡大を図っているのでしょう。

うまく傘下へ納めることに成功すれば、売上高1兆円超えも見えてくるので、ドンキの大原社長としては、是非実現させたい取引でしょう。

西友の資産状況は?

上場企業であれば決算数値が公表されるのですが、西友はウォルマートの100%子会社なので、決算数値は公表されていません。

10年前の決算数値で売上8000億円と報道されていましたが、その後様々な展開があったので、同規模と見るのは非現実的でしょう。

報道では、以下のような状況であるとコメントされています。

目下、西友は全国に335店舗を展開し、売上高は約7000億円。非上場なので財務内容の詳細は公になっていませんが、ウォルマートの子会社になった後、4638億7400万円の負債を抱えていることが明らかになっています

出典:デイリー新潮

ウォルマートが売却を検討するということは、売上はかなりの程度低下しているでしょうし、不採算店舗もかなりの数でしょうから、減損損失が多額に発生しているのは想像に難くありません。

おそらく最終利益は、かなりの赤字ではないでしょうか。

買収価格はいくら?

ドンキにとって最大の魅力は、西友の好立地の店舗でしょう。

ほしいのはそこだけでしょうが、一方でウォルマートとしては、可能な限りの高値で売り抜けたいと思っているでしょう。

資本金が1億円であること以外は決算数値は公表されていないのですが、一部報道では3000億円〜5000億円程度になるのではないかと言われています。

あまり目つんのめりになっているとウォルマートに映れば、交渉で不利になります。

そのあたりはドンキ側も重々承知しているので、以下のコメントを残されています。

大原社長は「小売業には不動産が必要で、西友のなかには今では手に入らない立地が多数ある」と指摘した。具体的な検討をしているかについては明言を避け、「(西友の資産について)詳細な分析が必要だ。中身をみないと本当に魅力的と言えるかはわからない」とした。

出典:日本経済新聞

一方で、西友の物件には魅力的なものがあるのも事実です。

西友の店舗335のうち50以上は自前で、しかも優良物件が少なくない。例えば、三軒茶屋店。地上5階、地下2階の大箱で駅からも近く、ドンキにとっては喉から手が出るほど欲しい物件だと思います

出典:デイリー新潮

サンチャといえば、渋谷から目と鼻の先。

そんなところにお宝物件が転がっているのですから、ドンキからしたらどうしても欲しい物件でしょう。

店舗閉鎖・人員削減のリストラは可能性は?

第三者が会社を買収する場合、あらかじめ売り手にリストラを要請することがあります。

買う前にリストラしておいてもらわないと、買収後にまとまったお金が必要となってしまうからです。

M&A交渉の観点からは、そのお金を売り手と買い手のどちらが負担するのかも重要な交渉ポイントです。

ドンキとしては、不採算店舗の閉鎖や人員の極限までのリストラを済ました状態で、買収したいところでしょう。

リストラ費用については、関係者のコメントを見聞きするだけでも、「たしかに」と納得してしまいます。

隠れた“負債”があるので、西友の買収に積極的な同業者は少ないと思います。西友が仕入れや在庫、労務管理などで使っていたシステムはウォルマート仕様。買収後、そのシステムはほとんど使えなくなり、億単位の“特別損失”が発生する恐れがあるのです

出典:デイリー新潮

リストラコストを実質的にどちらが負担するのかは、交渉が成功するかどうかの重要なポイントでしょう。

どうしても欲しいのなら、ドンキ側としては、ある程度譲歩する可能性も考えられます。

いずれにしても、近いうちに不採算店舗の閉鎖や人員の大規模リストラは行われるでしょう。

そのコストをどっちが負担するかだけの話です。

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