長崎県やJR九州などが「全線フル規格」を要望する中、佐賀県が強硬に負担反対を表明していることで、暗礁に乗り上げている「長崎新幹線の全線フル規格開通」。佐賀県にすれば「いらない」はもっともな話なので、全線フル規格開通はいつになるのかまとめました。
長崎新幹線の全線フル規格化
佐賀県が強硬に反対する理由
長崎新幹線は、佐賀県にとっては「コスパが圧倒的に合わない」に尽きるでしょう。
以下で詳しく解説していきますね。
長崎新幹線って?
九州新幹線は、先に博多-鹿児島中央間が開業し、そのあとに「新鳥栖-長崎間」の工事が始まりました。
ルートとしては、佐賀と長崎を通るので、ことさら「長崎」が強調されるのを避けるために「西九州ルート」と呼ばれることもありますが、「長崎新幹線」と呼ばれる方が一般的です。
フル規格とミニ新幹線
「新幹線」というと、「のぞみ」や「はやぶさ」が走るようなでっかい線路をイメージしますが、これを「フル規格」といいます。
新函館北斗行きのはやぶさも金沢行きのかがやきもほぼほぼ満席だったな pic.twitter.com/CvopHi1PfA
— さとり・スカーレット@みんなにお料理される( ˙-˙ ) (@hard39492135) 2019年4月27日
新幹線には、フル規格以外にも、在来線を走るミニ新幹線などいろんなパターンがあります。
ミニ新幹線が実用化されているのは、いまのところ「山形新幹線」と「秋田新幹線」の2つです。
こまち
JR東の東京ー秋田を結ぶ新幹線。山形新幹線に次ぐミニ新幹線方式。愛称公募では相方とは違い1位だったらしい。そのためかE6系導入時はE3系と区別するための新愛称は設定されずスーパーがついた。数が揃い1年でスーパーは消えた。pic.twitter.com/bEhzC25xnY— 鉄道旅図鑑 (@tetudou_bot) 2019年4月27日
ただ、コストがかかるわりに高速化はないので、コスパ的には微妙です。
フル規格は佐賀にとってコスパ合わない
「佐賀にはコスパ合わない」につきます。
新幹線の開業にあたっては、膨大な建設費を地元自治体が負担しなければいけませんし、それまで走っていたJR在来線の路線の経営も押し付けられるのです。
新幹線で大きなメリットがない限りは、決して受け入れられない負担増でしょう。
考えるまでもありませんが、長崎新幹線が開業したらメリットがあるのは長崎県民で、佐賀的には「通過されるだけ」です。
どんな新幹線が走るか不明ですが、旅客の動線を考えると、
「新鳥栖-長崎」を限りなくノンストップで走る新幹線版の「かもめ号」が、佐賀県を260キロで通過していくのは間違いありません。
つまり新幹線ができても、大して時間短縮効果がないばかりか、かえってデメリットが増えるのです。
そりゃぁ、反対しますよねって感じです。
負担ゼロでも反対
衝撃だったのは、以下の記事です。
昨日話題になった佐賀県知事と長崎新幹線の件 pic.twitter.com/kDLxr64hum
— ぽっちー (@pochi_m) 2019年4月26日
「負担ゼロなら開業でしょ」って思っていたら、「負担ゼロでも反対する」って知事が言ったのです。
これは、関係各位に衝撃を与えました。
「佐賀県に駅を作らず負担ゼロで」を密かな落とし所で考えていた関係者もいる中で、「そもそもダメ」って知事が言っちゃったからです。
全線フル規格開業はいつ?
佐賀県知事を説得してからでないと、全線フル規格開業は無理です。
これだけ強硬に反対しているとなると、説得は容易ではないです。
中には「熊本県からつなげば?」って考えている方もいらっしゃいますが、今度は熊本県が反対するでしょう。
同意の得られなかった長崎新幹線 pic.twitter.com/fEIuSNduEg
— シ頼戸内 (@setoutivrm) 2019年4月27日
2022年度に「武雄温泉-長崎間」が開業するので、それまでに方向性を決めて「2035年くらいに・・・」ってのが、現実的な開業スケジュールだったでしょう。
なので、一刻も早く佐賀県知事を説得したいところです。
でもどうやって?
落とし所は「並行在来線をJRが引き続き運営」
以下の3つを満たせば、佐賀県知事は首を縦に振るのではと思います。
- 佐賀県の工事費用負担はゼロ
- 並行在来線はこれまで通りJR九州が運営
- 特急は今まで通り走らせる
でも、国的はこれは飲みにくいですよね。
例外を認めたら、今後も他のエリアから異論が噴出するのは間違いないからです。
今後の動向に注目です。
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