戦場カメラマンの渡部陽一が語ったとされる「戦場取材の掟」が、安田純平さんを自己責任でいじめるSNSやネットを後押ししていました。ところが、「戦場取材の掟」はフェイク・デマだったことが明らかに!SNSやネットでの安田純平さんいじめと合わせて、まとめました。
Contents
渡部陽一さんの戦場の掟
渡部陽一さんとは?
戦場カメラマンという耳慣れない職業と、独特な語り口で有名になった渡辺陽一さん。
大学での講義でアフリカの民族に興味を持ったのが、今の職業に携わるきっかけでした。
アフリカは日本とはかけ離れた状況のため、帰国しても現地の状況の深刻さを日本の人たちには理解してもらえないため、現地の状況を伝えるカメラマンを目指すことにしたのです。
日本でも十分に名の知れている紛争地へ赴かれています。
例えば、ルワンダ・コソボ・チェチェン・ソマリア・イラクなど。
かなり危ない地域のはずなので、よく生きて帰ってこれているなと感心してしまいます。
デビュー作が掲載されたサンデー毎日をはじめ、テレビやラジオで積極的に情報配信をしています。
もちろん、活動範囲は世界に限りません。
東日本大震災では、大船渡市や陸前高田市、宮古市なをど訪れ、支援の必要性を粘り強く訴えられています。
こんにちは戦場カメラマンの渡部陽一です。アフガニスタン情勢。中東を拠点としていた過激派組織イスラム国。2014年の建国以降アジア地域アフガニスタン一帯をイスラム国ホラサンとして独自に宣言。現在もテロ襲撃事件を引き起こし、中東方面からの戦闘員の流入やリクルート活動が続いています。
— 渡部陽一 (@yoichiomar) October 27, 2018
取材のため、一年の約半分を海外で過ごされることがテレビを見るとよくわかります。
あるタイミングで、「やたらたくさんの番組に出ているな」と思ったら、忽然と見かけなくなるという感じだからです。
自己責任論者は安田純平氏をSNSやネットでいじめ?
渡部陽一さんと同じような目的でじゃーなりすととして活動されていた安田純平さんが、先日拘束先のシリアで無事に解放されたニュースが報道されました。
「よかったよかった」という報道で溢れるのかと思いきや、「自己責任」を展開するSNSやネット・報道が目につきます。
こんな感じです。
解放された安田純平氏
シリア渡航を制限する政府に
「自己責任だ、口や手を出すな」
「まれにみるチキン国家」そう発言しマスコミが称賛
しかし拘束後
「助けて下さい」
「政府は救出せよ」あげくに
「私は韓国人です」まずは協力してくれた
トルコとカタールに感謝し
日本政府には謝罪すべき pic.twitter.com/l0H272ifee— ShounanTK (@shounantk) October 24, 2018
安田純平について
立川志らく「貴方の為にどれだけの金が使われどれだけの人間が気を揉んで動いたか、それに対する謝罪は今後あるとは思うけど、もし謝罪しなかったらジャーナリスト以前の問題で人としておかしい。自己責任論については真実を求めるのがジャーナリストだから批判してもしょうがない」 pic.twitter.com/DujsELuhoP— ブルー (@blue_kbx) October 27, 2018
安田純平氏は例えるなら「天候が荒れ狂った日を選んで山に登った自称登山家」みたいなもので、それがプロの登山家とは言えないように、安田氏の行動もジャーナリズムではないのだ。いくら自己責任だと言っても、危険な登山やそれを英雄視する連中が批判されるのは当たり前で。
— RAIE (@R8eru) October 25, 2018
背景事情は公表されている情報だけではないはずですし、それを鵜呑みにしたら判断を間違えます。
ところが、ここぞとばかりに噴出する自己責任論。
一方で、その問題点を指摘している声もあります。
https://twitter.com/wanpakutenshi/status/1056115117992009728
見かねる自己責任論に対し、メジャーリーガーのダルビッシュ投手もコメントを寄せられています。
一人の命が助かったのだから、自分は本当に良かったなぁと思います。
自己責任なんて身の回りに溢れているわけで、あなたが文句をいう時もそれは無力さからくる自己責任でしょう。皆、無力さと常に対峙しながら生きるわけで。人類助け合って生きればいいと思います。— ダルビッシュ有(Yu Darvish) (@faridyu) October 25, 2018
自分が安田純平さんに何かをしたわけでもないのに、叩く人たち。
あたかも自分が身代金を立て替えたかのような論調です。
そのさまは、当事者ではない人たちが「自分は万能でなんでも知っているし、ジャッジすべき立場」と思い込んでいるようで、深刻な誤解にあふれています。
まさにいじめの構図と同じですね。
戦場の掟はフェイク・デマだった!
自己責任論者を勇気付けていたとされる、渡部陽一さんの「戦場の掟」。
その一節には、安田純平さんの行動を非難していると受け止められかねないくだりがあったのですが、そもそも「戦場の掟」がフェイク・デマだったことが明らかになったのです。
海外メディアに比べ日本のマスメディアは、戦場内に入り込む取材は中々、許可されない。命の危険を冒し戦場に行く #安田純平 さん達のような記者いなければ、APやロイターなど海外ニュースを翻訳して発信するしかなくなる
「渡部陽一さん 取材の掟」はフェイク #ハフポスト https://t.co/YhhrRyDN5E
— 望月衣塑子 (@ISOKO_MOCHIZUKI) October 26, 2018
こちらが戦場取材の掟を扱った記事です。
安田さんの安否についてニュースが駆け巡ったことで、戦場カメラマンの渡部陽一さん(46)が語ったとされる「戦場取材の掟」がTwitterなどで話題を呼んだ。これが書かれたツイートは10月25日20時現在、2万3000回以上リツイートされている。特に、その掟で注目されていたのは「捕まるやつはその時点でジャーナリスト失格」という項目。Twitterでは一般ユーザーから「これこそ本物だ」「至言」「やはり超一流のジャーナリスト」といった礼賛の声のほか、この文言をもとに安田さんについて「ジャーナリスト失格だ」というツイートが盛り上がっていた。
出典:ハフポスト
これに対して渡部陽一さんは、内容を真っ向から否定しています。
渡部さんはこの文言について、話したことはないとして「捕まるやつはその時点でジャーナリスト失格、などとは考えていないし、安田さんをジャーナリスト失格などと言っているわけでもありません」と答えている。
出典:ハフポスト
現代は、情報が凄まじいスピードで拡散していきますし、その中には本人は語ったわけでもない情報が含まれていることもしばしばです。
誤解を招くような情報が拡散されたときは、渡部陽一さんのように、しっかりしかるべき方法で事実を明らかにしないと、誤解されてしまうなぁと思った一件でした。
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