エンゼルスの大谷翔平がトミージョン手術を決断しました!肘の腱を移植する大掛かりな手術ですが、二刀流や球速の復活の可能性はどうでしょうか?費用や成功率、そしていつ復帰するのか、日本人や打者の事例はあるのか・手術の結果など、トミージョン手術にまつわる疑問点をまとめました。
Contents
大谷翔平
本格的な二刀流としてメジャーリーグに挑戦している、大谷翔平選手。
野手がほんの少し、ピッチャーをやるというのとはわけが違います。
投手として二桁勝利をあげながら、野手としても20本を超える本塁打を放つなど、まさに漫画の世界を体現してします。
https://twitter.com/beisboljapones/status/1041338844866469888
メジャーリーグで20本を超える本塁打を放つことも、時速160キロを超えるボールを投げるのも、努力だけでは到達できない世界です。
そんな大谷翔平選手が、今後どのような活躍を見せるのかが、注目されてきました。
トミージョン手術
トミー・ジョン
肘の腱を移植するトミージョン手術は、1960年代から1980年代にかけて活躍したメジャーリーグの左腕投手トミー・ジョンにちなんで名付けられました。
彼がトミー・ジョン手術を受けて復帰するまでは、肘の故障は投手にとって致命傷でした。
やむなくキャリアを断念した先人たちも、たくさんいたことでしょう。
トミー・ジョン本人も、「手術はやらないとメジャーの舞台には戻れないし、手術をしても戻れない可能性は高いだろう」という感じでした。
「執刀医のフランク・ジョーブ博士を信用するのみ」
彼のこの英断が、後世の投手たちへの大きな遺産になりました。
トミー・ジョン投手は、肘を故障するまでに124勝をあげる一流の投手でしたが、手術後はそれを大きく上回る164勝をあげました。
この実績こそが、トミー・ジョン手術をスターダムへ押し上げたと言ってもいいでしょう。
肘を故障しても、手術をしてしっかり復帰のプロセスを踏めば、元の状態へ戻れるという自信を後世の投手たちに与えたのです。
どんな手術?
トミージョン手術を受ける前の肘の腱は、一部が断裂したりして損傷した状態です。
そこで、体の他の一部の腱を肘へ移植することで、肘を元の正常の状態へ戻すという手術です。
言葉でいうと簡単かもしれませんが、トミー・ジョン手術には2つの重要なポイントが含まれています。
まず、「手術がうまくいくかどうか?」という点。
人間が執刀するわけですからミスをする可能性もあるでしょうし、手術後にうまく回復しないなどの可能性もあるでしょう。
もう一つは、手術後の復帰までのプロセスです。
トミー・ジョンが手術を受けたときは初めての事例だったので、手探りの連続でしたが、その後多くの投手が後に続いたことで、復帰までのプロセスも確立されてきました。
きっちり時間をかけて徐々にトレーニングを積んでいき、徐々に投球練習を再開するというものです。
ここを焦ったあまり、失敗した事例もあるようです。
費用は?
米国か日本かで相場は違うでしょうが、日本の場合は30万円程度で受けることができるそうです。
ただ、トミージョン手術の場合は手術後の復帰プロセスをどのように慎重に踏むかが成功の鍵を握るので、トレーニングに少なからずのコストがかかることは間違いありません。
日本人の事例は?
日本人投手にも、トミージョン手術を受けた人は何名かいます。
有名どころでは、元ロッテオリオンズのエース、村田兆治さん。
独特なフォームとフォークを武器に打者をなぎ倒してきた村田さんですが、1982年に肘を故障してしまいます。
その後、1983年〜1984年の大半を丸々手術や復帰プロセスに費やして、1984年終盤に復帰します。
その後、1985年の17勝をはじめ、二桁勝利3回と200勝到達を果たされました。
村田兆治さん以外にも、桑田真澄さんや最近でいうと藤川球児さんも含まれます。
打者の事例は?
トミージョン手術は、投手だけの手術ではなく、打者にも事例はあります。
有名どころでは、本来は万能の外野手なのに投手をしてしまったことで肘を痛めたホゼ・カンセコ。
ステロイド暴露でダークなイメージがついてしまいましたが、彼もトミージョン手術を受けています。
成功率は?
手術後のリハビリの技術が進歩したことで、近年のメジャーリーグでは成功率・復帰率は83%と言われています。
ひとまず安心と思えますが、17%は復帰できていないということでもあるので、安心はできません。
いつ復帰?
今年のオフに手術して、2019年シーズンはまるまるリハビリに費やすことになります。
そして、2020年に復帰するという青写真を描いています。
復活の可能性は?
球速
豪速球投手でもトミージョン手術を受けており、その後手術前と変わらないパフォーマンスを披露しています。
例えば、アトランタブレーブスのエースの一人だったジョン・スモルツ。
手術前にも超一流の成績を残していましたが、手術後もストッパーやエースを務め、ついには野球殿堂入りを果たしています。
しっかりしたリハビリをスケジュール通りにこなしていけば、球速はかわらないと考えていいでしょう。
二刀流
注目は、大谷翔平選手が二刀流であること。
これまでに本格的な二刀流を務めたのは、長いメジャーリーグの歴史でもベーブ・ルースただ一人です。
イチローがコメントしているように、投手と野手では使う筋肉が違うそうです。
そのため、二刀流のリハビリは前例のない挑戦になりますが、「投手」と「野手」の片方ならリハビリの前例はあります。
リハビリを続けながら野手として出場するのは現実的ではないように思えますが、スケジュール通りに復帰されるのではと見ています。
手術の結果は?
大谷翔平選手は、レギュラーシーズンが終わってすぐにトミージョン手術を受けました。
カーラン・ジョーブ・クリニックという病院だそうで、GMによると無事に終わり、成功したとのことです。
ファン的に関心のあるのは、「投手としていつ復帰?」「2019年は打者で出場できる?」でしょう。
同手術は通常、投手での復帰には12〜16カ月を要する。DHならば、送球プログラムのリハビリが省かれ「4カ月半〜半年の間に本格復帰できる」とする医師の見解もあるが、大谷の全治について同GMは「今すぐ判断することは難しい」と話すにとどめた。エ軍の来年の開幕戦は3月28日(日本時間29日)だが、「打者・大谷」としては間に合う計算だ。
出典:スポニチ
油断は禁物ですが、打者としての出場は2019年も可能で、投手としての復帰は2020年になるイメージのようです。
More from my site