ゴーン会長逮捕でフランス逃亡の可能性は?うその報酬がバレた理由は?

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日産のゴーン会長が、金融商品取引法違反で逮捕です。虚偽(うそ)の報酬を有価証券報告書に記載したことが理由でクビになる見込みですが、なぜバレたのでしょうか?内部通報でした!逮捕される前にフランスへ逃亡する可能性や監査法人の責任・今後どうなるか・記者会見の模様、Mr.ビーンとそっくり疑惑も含めてまとめました。








日産ゴーン会長を逮捕はなぜ?

うその報酬を有価証券報告書に書いたから!

日産ゴーン会長は、倒産寸前だった日産自動車を立て直した立役者として知られています。

最近は、同じく瀕死の境遇にあった三菱自動車を傘下に収めて、再建へ乗り出していました。

そのような実績面のほかに、とんでもない巨額の報酬をもらっている人としても知られています。

日産自動車の有価証券報告書(以下「有報」)をみると、すべて金銭で735百万円もの報酬をもらっていると記載されています。

日産ゴーン報酬

 

出典:日産自動車有価証券報告書

株の投資とかに興味のない人からすると、「有価証券報告書ってなんだ?」という感じでしょう。

有価証券報告書というのは、主に上場している会社が「今年一年間、うちの会社はこんな感じでした」という情報を取りまとめて、金融庁へ提出する資料です。

記載内容は「金融商品取引法」という法律で決められていて、違反するとれっきとした法律違反になります。

だから粉飾決算をした会社の社長は、「金融商品取引法違反」で逮捕されるというわけです。

有報には決算書以外にも、会社の状況や役員の報酬に関する情報など、いろんな情報を書かないといけません。

今回の逮捕の理由は、その報酬がウソだったということになります。




虚偽の給料がバレた理由は内部告発!

逮捕という情報が出ているので、おそらく逮捕されるでしょう。

問題は、「うそがなんでバレたんだ?」の一点に尽きるでしょう。

考えられる理由は2つです。

1つは、「内部通報」です。

いわゆる「投げ」「チクリ」というやつです。

この手の「うそ」とか「隠蔽」は、どんなに箝口令を敷いても、ほぼ会社の主要メンバーにはしれてしまいます。

「人の口に戸は立てられず」ってやつです。

「ゴーンさんが怖いから黙っていたけど、自分の立場が悪くなったからチクってやる!」

こういう感じでうそや不正がバレるケースが、一番多いです。

もう一つは、金融庁などによる検査で発覚したパターンです。

有価証券報告書は、監査法人がチェックしたら終わりというわけではなく、状況に応じて金融庁もチェックしています。

そのチェックの過程で「あれ、怪しいな?」というのが見つかり、日産自動車へ調査に行っていたら、隠蔽が発覚したというパターンです。

日本は、アメリカに比べて「嫌われたくない」という意識が強いので、アメリカに比べると「内部通報」を積極的にする人はまだまだ少数です。

検査で発覚したパターンの方が、可能性としては高いかもしれません。

いずれにしても、「うっかり」が原因で逮捕されることはないでしょう。

「逮捕」するのは、「知っていてうそをついた」と判断されたからだと思います。

その後の報道で、内部通報が理由でバレたことが明らかになりました。

日産自動車株式会社(本社:神奈川県横浜市西区、社長:西川 廣人)は、内部通報を受けて、数カ月間にわたり、当社代表取締役会長カルロス・ゴーン及び代表取締役グレッグ・ケリーを巡る不正行為について内部調査を行ってまいりました。その結果、両名は、開示されるカルロス・ゴーンの報酬額を少なくするため、長年にわたり、実際の報酬額よりも減額した金額を有価証券報告書に記載していたことが判明いたしました。そのほか、カルロス・ゴーンについては、当社の資金を私的に支出するなどの複数の重大な不正行為が認められ、グレッグ・ケリーがそれらに深く関与していることも判明しております。当社は、これまで検察当局に情報を提供するとともに、当局の捜査に全面的に協力してまいりましたし、引き続き今後も協力してまいる所存です。内部調査によって判明した重大な不正行為は、明らかに両名の取締役としての善管注意義務に違反するものでありますので、最高経営責任者において、カルロス・ゴーンの会長及び代表取締役の職を速やかに解くことを取締役会に提案いたします。また、グレッグ・ケリーについても、同様に、代表取締役の職を解くことを提案いたします。このような事態に至り、株主の皆様をはじめとする関係者に多大なご迷惑とご心配をおかけしますことを、深くお詫び申し上げます。早急にガバナンス、企業統治上の問題点の洗い出し、対策を進めてまいる所存であります。

出典:日産自動車公式ウェブサイト

ゴーン会長とケリー代表取締役が、報酬を意図的に低く開示していたことが理由とのことです。

理由はバッチリ「内部通報」と書かれているので、チクリが発端であることが明らかになりました。

ただ、会長や社長の報酬というと、企業の中でもシークレット中のシークレット中の極秘情報です。

大半の従業員や役員は知る由もありません。

この極秘情報に触れることのできるのは、上級役員や経理部門のトップくらいでしょう。

ひょっとすると、社内政治闘争の中で経理部門のトップを取り込むことに成功し、内部通報させたというようなシナリオも、なくはないでしょう。

しかも、日産自動車のプレスリリースでは「役職を解く」と書いています。

つまり「クビにする」ということです。

今後どのような展開になるのか、目が離せません!




逮捕の前にフランスへ逃亡の可能性は?

日本には日本の法律があるように、フランスにはフランスの法律があります。

フランスへ逃亡されてしまったら、フランスに「ゴーン会長を引き渡してください」とお願いし、「フランスの好意で」ゴーン会長を逮捕してもらう必要があります。

日仏関係で仲が悪いという話は聞きませんが、ゴーン会長はフランスの一流企業である「ルノー」のCEOでもあります。

フランスへ逃亡されると、「はいどうぞ」と簡単に逮捕というわけにはいかないのではないでしょうか?

ただ、これだけ有名な人が「逮捕されたくないから逃げる」という行動に出るのか、かなり疑問ではありますが。

その後の報道で逮捕されたことが明らかになったので、国外逃亡はしませんでした。




監査法人の責任は?

どんな不正行為があったのか明らかではないので、「報酬が事実とかなり異なっていた」ことを前提に考えてみたいと思います。

「報酬が事実より著しく過少だった」ということは、日産自動車の決算書も「著しく間違えていた」という可能性が生じます。

ただ監査法人は、「決算書が間違えていた=監査法人ダメ」というわけではありません。

監査法人として、「やるべき手続をしっかりやったか?」「うっかり見落としていないか?」「意図的に見落としていないか?」というようなところをしっかり潰していれば、責任を問われることはありません。

逆に、落ち度があったり意図的に見落としていたなどの事実が発覚すれば、非常に厳しいお叱り(業務の一時停止とか、営業活動の一時停止とか、罰金とか)を受けることになります。

今回の場合は、日産という超一流企業のトップが逮捕されるという、社会的影響が非常に大きい事案なので、早速監査法人は「しっかりみたのか?」「意図的に見落としたんじゃ?」というチェックを受けることになります。

ちなみに担当監査法人は、東芝の件で手痛い罰金処分を受けた「新日本有限責任監査法人」で、今回も重大な失態が明らかになれば、「あいつら何やってんだ?やばくね?」という批判を受けることになります。

ゴーン会長の動向と合わせて、注目しておきたい論点です。




今後はどうなる?

日産自動車はゴーン会長たちをクビにする予定ですが、一方で株主構成をみておく必要があります。

日産自動車大株主の状況出典:日産自動車有価証券報告書

専門用語が多くて分かりにくいですが、つまり日産自動車の株式の43.7%はフランスの自動車大手ルノーが持っているということです。

会社は株をたくさん持っている人の意見が通る仕組みになっているので、日産自動車の重要な意思決定はルノーの意向が反映されます。

つまり、クビにしたところで「ゴーンが適任だから再任しろ」とルノーが言ってくれば、意見が通ってしまうということです。

しかもルノーのCEOは、ゴーン会長本人です。

クビにするのは一時的なパフォーマンスの可能性も考えられます。

本当かどうかわかりませんが、ホンダの以下のツイートが議論を呼んでいます。




記者会見の模様

記者会見の模様が、動画で公開されています。




Mr.ビーンにそっくり疑惑?

Mr.ビーンにクリソツでは?という疑惑が出ているので、早速比べてみましょう。

たしかに、パッと見ただけではどこにMr.ビーンがいるのかわかりませんね!

ツイッターのトレンドでも、ゴーン会長よりMr.ビーンの方が上に来ているという珍事が発生しています。

https://twitter.com/kyo_er34/status/1064471398301626368

株価への影響は?

以下の関連記事でまとめています。

日産自動車のカルロスゴーン会長という衝撃的なニュースを受け、日産自動車の株価はどうなるのでしょうか?日産自動車とルノーの合併の可能性や日産自動車・三菱自動車の代表取締役解任も取り沙汰されています。フランス大統領のコメントやルノーは解任しないなど情報をまとめました。




ゴーン会長の脱税疑惑

ゴーン会長が脱税していたのではという疑惑もあるので、関連記事でまとめました。

日産自動車と三菱自動車の代表取締役カルロスゴーンが、金融商品取引法違反で逮捕!有価証券報告書で虚偽(うそ)の報酬を開示したのが理由ですが、ルノーのCEOでもあるので海外でも大きく報道です。脱税はどんな手法・仕組みなのか、時効とともに簡単にまとめてみました。







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